ノマド国家イスラエル第一弾 アーティスト、倉橋元治氏

ノマド国家イスラエル

 ユダヤ人は定住できる場所を持つたびに他民族から幾度となく侵攻をうけ、現代のイスラエル国が誕生するまで長い離散生活を余儀なくされていた。世界各地を遊牧民のように移動しながらも、一つの宗教で繋がっていたユダヤ人。彼らは特に金融業で財を成し、世界有数の金持ちな民族と言われている。今はイスラエルの中で定住をしている訳だが、この遊牧民族が作り上げてきたイスラエルという国はまさにノマド国家である。このイスラエルで、面白い方々にお会いしたので、その内お二方を2稿に分けて紹介する。

 

倉橋元治氏 日本とイスラエルをアートで繋ぐ

 日本で30年以上きこりをしながら、木の中に日本の文化を埋め込むアートを制作している。一ヶ月のうち15日はきこりとして、15日をアーティストとして過ごしている。15年前にイスラエルの前大統領夫人にその作品が気に入られ、エルサレムで個展を開いて以降イスラエルで何度か個展を開いている。日本にもイスラエルからのお客様を迎える時には、倉橋氏の自宅に泊まりにくるなど、イスラエルと日本をアートで繋いでいる。

 

NOMAD

 NOMAD(ノマド)とは、そもそも何か一芸に秀でているもの、世界の競争にさらされても大丈夫な人なんですよ。僕のアートは木をチェーンソーで削るもので、これは長年のきこりでの技術によるものなんです。この長年の技術が、世界にさらされても足り得るものになっている。経験は力です。30年以上の経験から、木を削って行く時には『あうん』の呼吸で掘る事ができるんです。世界の技術を持つ事が鍵です。

 


 

温故知新

 僕は常に古いものは新しいと思っています。そして新しいものは古い。僕らは過去を振り返る事によって未来を創造できる。温故知新ということは、そういうことですよ。

 私が思う所だと、今の日本の文化発信はうるさい。なんでもかんでも派手にしようとしている。 日本の文化の良い所は静かさにあると思っています。静かだけど、奥深い。 個人的にそう思うから、まだまだ小さいですがイスラエルと日本で個展を開いて、日本の『木の文化』を、発信しています。小さい個展が多くwebを一切使っていないので、私のアートはあまり目に触れないというのが今の一番の課題ですね。

 


 

日本とイスラエル

日本とイスラエルには、昔から知らない所で関係があった。

日露戦争時には、資金調達に苦労していた日本軍に対して、ユダヤ人の銀行経営者が国債を取り付けてくれたお陰で必要な装備も整えることに成功し見事に勝利した。

また第二次世界大戦時には日本の杉原千畝さんが、ドイツ侵攻により国から避難したかった、リトアニアに住むユダヤ人のため、独断でビザを発行して6000人以上の命を救った。

この歴史を紡ぐように、現在イスラエルと日本をアートで繋いでいる倉橋氏の素晴らしい活動を、短いながら紹介しました。

 

成瀬

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ノマド国家イスラエル第一弾 アーティスト、倉橋元治氏NOMAD PROJECT

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