Mr Marc Panther 荒波から学ぶ

マークパンサー。父親が旅人だったこともあり、小さい頃から色んな場所を訪れ、人とは少し違った育ち方をしてきた。2歳からモデルとしての活動をはじめる。その後モデルという静止画から、動画を扱うVJに興味を持ちはじめ、音楽の世界へ。globeで活躍した後、娘のために石垣島へ移住。現在はフランスのニースで家族と暮らしている。

ニースではDJとして音楽活動をする一方、『博多道場』という名のもつ鍋屋を中国で経営しており、グローバルに活躍している。


娘が生まれて、僕は人生の主役を降りた。

 人生の主役は、僕の娘。娘が生まれて、僕は人生の主役を降りました。いつも娘にとって一番良い環境を用意してあげたい。そのために僕はノマドになっているんです。娘のためなら世界のどこにでも移動しますよ。

 ある日、娘がいつもテレビにかじりついていることに気が付いたんですね。このままじゃだめだと思って、石垣島へ引っ越すことにしました。そこから親父と一緒に石垣島料理店をはじめて。新しく何かをクリエイトするのが好きなんですよね。だけど、ある事件をきっかけに娘がいじめられるようになった。「だったらここから出ちゃおう。また皆でゼロからはじめていこう。」そう思って、じいちゃんばあちゃんも含めて家族みんなでフランスへ行くことにしました。でもこれは逃げじゃないんです。いたくない場所にいて、やりたくないことをやっていることこそが逃げ。だから、海外に出てみんなでまたやり直すことにしました。

読めない、喋れないと相手にしてもらえない。

 どこの国でも、新しい国に行けば必ず文化の違いがあります。例えばニースでは郵便局で困っていても誰も助けてくれない。日本では困ったら誰かが助けてくれる。だけど、ここでは誰も助けてくれないんです。お前の召使いじゃないんだと、聞いても教えてくれないんですよね。自分でやれと。読めない、喋れないとそもそも相手にしてもらえない。そういう世界なんです。でもこの違いが楽しいし、そこから学べることはたくさんあります。だからこの荒波こそが楽しいといつも思っています。


エンターテイナーとして、常に自分を演出すること。

 飛行機は必ず一番後ろの席に座ります。シド・ビシャスが映画で座っていたのは一番後ろの席だったんですよね。だから僕も同じ場所に座る。そうやって自分の人生を、自分の旅を演出していく。どんなにつらい事があったって、ニースの夕焼けを眺めながら、『今夕焼けを眺めている』自分を演出すれば、またやってやろうという気になるんですよ。


荒波に揉まれて人は強くなっていく。

 日本では、日本一になろうとする人はいるけど、世界一になろうとする人がいない。日本一になることはちっとも大切じゃない。世界一になることの方が大切なんです。だって誰もその国の一番なんて気にしてないでしょう。世界で闘うということは、荒波に揉まれながら、倒れない強さを掴んでいくことです。異国の地でバッシングされて、倒されて、ぼこぼこにされて、何度も転んで。そうやって荒波に揉まれる中で、だんだん倒れなくなってくる。ちょっとやそっとじゃ倒れなくなって、世界一になれるんです。


世界に出るということ。

 世界に出ることは、決して楽なことではない。だから何か基礎を固めて出るのが一番良いかな。基礎っていう部分が見つからないのならば、武道でもやってもらって(笑)。そうすれば海外に出たときに、荒波が来てもくじけずに耐え抜くことができると思います。この荒波に耐えることができたなら、そこから離れられなくなりますよ(笑)。ぜひ世界に出てみて下さい。きっとしばらくして日本に戻ったときに、どれだけ日本が素晴らしい国かわかると思いますよ。

 

 

荒波から学ぶこと。

 去年アメリカのバブソン大学に留学していた時に、僕も初めての荒波を経験した。バブソンは起業学で有名な大学で、周りの学生は皆、起業家精神に溢れた優秀なやつばかり。その中で英語という面で周りから劣っていた僕は、自分の居場所を見つけることが出来なかった。誰にも相手にもしてもらえず、最初はかなり落ち込んでいたが、それでもこのままじゃだめだと思って、とにかく必死に勉強した。周りが1時間掛けて準備していくことを、僕はその2倍、3倍やるようにした。そうすれば少しでも認められると思って。そういった努力を続けて、僕はやっと自分の居場所を見つけることができた。この経験が、今の僕の自信に繋がっている。人はこうやって荒波を乗り越えたときに、初めて自信を持つことができるのではないだろうか。

マークさん、お話有り難うございました!

 

 

インタビュー:成瀬
文章校正:増田祐加
敬称略

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