世界を周るベンチャーキャピタリスト 古賀さん

経歴

ボストンのベンチャーキャピタルであるGlobespan Capital PartnersのDirectorとカーシェアリング最大手であるZipカーのグローバル戦略顧問を兼任中。

現在、ボストンに住みながら、
世界中の至る所にビジネスで赴き、世界を舞台にお仕事をしている。

非常に面白い経歴をお持ちで、
明治大学に入学後、在学中にベンチャーで働く。その後、コンサルティングファームに入り、HBSでMBAを取得。卒業後は、シリコンバレーにてモバイルベンチャーの仕事をなされ、現在ボストンにてベンチャーキャピタルとカーシェアリングサービスのお仕事をされてなさる。

Twitterでも非常に有名な御方です。


日本を出た理由

Q日本を出て、アメリカに来た理由は何ですか?

 

天候がいいからです。これが一番大きい理由ですかね。
後はテクノロジーが好きだから。テクノロジー好きだとアメリカ来るのが楽しい。
Iphoneだったらシリコンバレー。

一度学生時代にシリコンバレーにきた事があり、スタンフォードの気候がよくて感銘を受けたんですよ。なので 西海岸に行きたかったのだけどスタンフォードMBAには落ちちゃって。同じ会社から他に2人いてしまっててスタンフォードは同じ会社の人あんまりとらない という事もあって第二候補のHBS。
なので、ボストンに来ました。まずは住みたい所に住めるようなスキルをつけるのが大事と思い、ボストンは寒そうだけど、面白そうだからきてみました。

 

英語もできない人に紹介なんかできない

Q海外に出て大変な事はありましたか?

 

それは惨めな思いばっかりですよ。そりゃ大変。でもそもそも惨めな思いをしないで生きるのが嫌いな質で。自分を支える唯一のものは自分の成長だと思っているので、快適なゾーンにいるのは成長がおそくなるサイン。アメリカでは苦労もするが、その分成長が早い。

例えば、
渡米した直後車を軽くぶつけた時、相手に費用負担させないために警官に「自分が不注意だった」と認めたら、「運転中の不注意」という犯罪だといわれて裁判所に呼ばれて色々面倒な事になっちゃって。日本だったらこんなことにはならないのに・・・。
でもその失敗によってしては行けない事がわかった。そういう失敗から学んでいる時に成長を実感できるんですよね。
アメリカにいた方が苦しい。だからこそ新しい事を学べている。



英語に関しても、ネイティブに比べると、まだだめですね。
あるとき、HBSの卒業生に人を紹介してくれってメール送ったら、あんたみたいな英語もろくにできない人間に紹介できないって言われたんですよ。
僕はそれに対して、
英語だけで判断されるような人から紹介されないためにわざと人に添削とか頼まずにメールを送ってる。言葉が原因でだめなら早めに切ってくれ。
僕はこの程度の英語しかできない。ただ僕は他のバリューがある。そのバリューで僕は勝負してるし、そのバリューは僕の弱みを圧倒的に超えるようなものなんですよ。
弱みがないものなどいないじゃないですか。強みにフォーカスして言葉に怖じけず自分の強みにフォーカスして仕事をしているんですよ。

だから結局海外出るのは大変で苦労するけど、常に色んな動きがあるんですよ。日本以上にね。回り続ける独楽が一番安定している。
快適なのはちょっと耐えられない。回るのが遅く倒れてしまう。
だからまとめると、海外に出るのは大変だけど、その分学びがでかい。

 

すごい人とすごくない

Qすごい人とすごくない人の違いは何だと思いますか。

 

あんまり頭いい人好きじゃないんですよね。笑
それより前向きに自分を信じて無茶を知りつつも頑張るひとの方が好きですね。

すごい人って多分、

自分の価値観がしっかりしている人。
リスクをとれる人
素直に自分のする事を信じている人。
自分の事を信じている人。
自分の人生を自分で決めている人。大抵の人はそうじゃないですか。
他の人にどういわれても、自分がやると言ったらやる。

自分の幸せと価値観に対するコミットメントがあって、それをデリバーする勇気がある人。
これはすごいなと思います。

要は

Follow your heart している人。
これをするには自分を信じてないといけないしできない。
これを実行している人は、輝いている。いままであってきた”すごい”人はそうだった。
このすごい人ってのはハートの問題なんですよ。頭じゃなくて。

世界一周する人もそうだけど、皆何がおこるか分かんないしデータなんてないじゃないですか。自分がデータ。ほとんど参考になるものがない中で自分で切り開いて行く。

こういった新しい人類未踏の事って、何事もだめな事を証明する方が良い事を証明するより100倍楽。
でも、それをデリバーする勇気、そして自分の事を信じている事。これが自分自身を形作るんですよ。
こういう人ってかっこいい。

パン屋さんをやって、小さなパン屋さんだけど人々に幸せを届けたいが為に、笑顔の為に毎日一生懸命やっている。それが上場企業の取締役たちよりもかっこよくていけない理由が僕にはさっぱりわからない。

自分の理念をもって、それを信じて突き進む勇気をもって行動している人。
そのハートがある人がかっこいいしすごい。

 

海外にでるということ

Q海外で働く魅力をずばり言うと?

 

出たけりゃ出ればいいし正直どっちでもいいと思います。
そもそも人に自分の価値観進めるの好きじゃないのでね。。でも魅力をあげるとしたら3つの観点で、こんな感じじゃないですか。

1.趣向の観点

日本で生活しているとめちゃくちゃ楽な人。自分が平均的に過ごして、皆と同じようにやることが快適な人は日本から出るべきでない。でも日本で生活すると快適に思わない人(ちょっと変人)もいる。だから自殺もあったりする訳でそういう人はでたらいいと思う。
リスクに集中したら日本にいた方がよっぽど快適じゃないですか。死ぬ確率だって圧倒的に少ないし。道歩いてていきなり死んじゃうリスクって海外の方が断然高いですよ。
これは、あなたの人生の問題。

2.経済的な観点

経済的には確実に出た方がいい。2重国籍をもたないメリットが僕には見当たらない。
日本は少子高齢化などで小さくなっていく。国籍は、 国家のパフォーマンスへの投資ですよ。日本は今は高いけどこれから下がります。少子高齢化があるからこれから税金の投資のリターンは小さくなってきますよ。

3.ビジネスマン的な観点

少子高齢化が進むと日本の市場は小さくなっていくじゃないですか。会社として払っていける対価も少なくなっていきて解雇か減給って手段になって行くでしょう。
日本人は外需を満たす必要がある。
でも今の日本人にとってそれって厳しい事じゃないですか。日本人は、外人をエーリアンだと思っていて。。
この外人であるマイノリティを知るというスキルが日本人は少ない。これは今後致命的になってくる。そもそもマーケティングは心理学なので相手を理解できなければ始まらないんですよ。
マイノリティを知って努力する経験。グローバルにディールクロージャーができる人材。言語ができて、コミュニケーションがとれる人。
この辺の人材は10年くらいしたらめちゃくちゃ必要になるんじゃないですか。(今もですが。)
そのときに必要な日本人が今いない。だから逆に今はビッグチャンスだと思いますよ。
こういった穴を埋めることができる人。グローバルな橋渡しの需要が高くなると思うから、この差別化を今できれば今後大きなチャンスになるのではないでしょうか。

 

これをすべてひっくるめて、自分で判断してみて下さい。楽観的に考えて海外出た方がいいんじゃないでしょうか。
ただ自分の人生的な観点が結局は一番大きいのだから、結局は将来信じてやりたい事があれば出ればいいし、日本にいたいのであればそれも正解。

結局はノリですよ。

本当に大きな決意はロジックでは決められない。
やりたい事、好きな事をノリで決意してください。

 

インタビューを終えて

以上が古賀さんのお話でした。

明治大学に入学→在学中にネットエイジで働く→アクセンチュア(戦略グループ)入社→HBS→シリコンバレーのベンチャーで就職→VCのディレクター(現在)

大学卒業時の就職ではアクセンチュアに入った。ただ、明治からアクセンチュアが、ほぼ難しい中それを在学中にベンチャーでのインターン経験によって乗り越えてる。
次にHBSの後、ベンチャー就職をしているけれども、それまでの実績とHBS卒であれば、もはやこれは大き なリスクテイクではない。トップMBA生に向けて「あなたたちはもう一生食うに困らないステータスを得られる、一番安全な人たちなのだから、そんなあなた たちがチャレンジしなくてどうする!?」と吹っかける起業家や教授がいるように。

そしてその後、現在VCで世界を舞台に、様々なプロジェクトをこなしながら、やりがいがあって楽しい仕事をしている。

さて、何が古賀さんをすごくしてるか?
リスクを取るから?リスク評価がうまいから?勘所をうまく押さえたキャリア構築?コミュニケーション能力?価値観?
うーむ、古賀さんから学ぶ所は沢山ある。

古賀さんのTwitterはこちらです。@yokichi

本当に有り難うございました。
出会いに感謝です。

 

 

成瀬勇輝

このエントリーをはてなブックマークに追加
世界を周るベンチャーキャピタリスト 古賀さんNOMAD PROJECT

コメントを残す